長野県のワインとは?基礎知識と主な産地、生産者の解説

長野県のワイン生産量は山梨県に次ぐ全国2位ですが、日本のワイン造りにおいて、近年最も活気のある産地です。

2013年に発表された「信州ワインバレー構想」など行政の支援もあり、2014年以降毎年ワイナリーの設立が続き、2020年9月の時点でのワイナリーは61軒を数えるまでになっています。

2021年には、国税庁よりワインと日本酒が「G.I」長野の指定を受けました。ちなみ2酒の同時指定は全国初となります。

 

【山梨県のワインについてはこちらをご参考ください】

 

 

長野県のワインの基礎知識

歴史・起源


ブドウの栽培自体は江戸時代から現在の松本市山辺地区で甲州ブドウが栽培されていたようですが、長野県のワイン造りは明治時代、殖産興業政策の一環として果樹栽培とワイン造りが奨励されたことにより始まります。

山梨県と違い、本格的なブドウ栽培はワイン造りを目的としたものでした。

 

1900年前後に長野市周辺では「善光寺ブドウ」の名前で竜眼が栽培されるようになりました。

一方欧州系やアメリカ系品種の本格的な栽培は1890年、桔梗ヶ原で始まりました。その後、他品種よりも寒さに強かったコンコードがこのエリアの主力品種になります。

 

1902年には理喜司によって「信濃殖産会社」が創設され、本格的なワイン醸造が始まりました。

 

戦時中は、甘味混合果実酒を作っていた寿屋洋酒店(現サントリーワインインターナショナル)や大黒葡萄酒株式会社(現メルシャン)が原料を求めて桔梗ヶ原に進出し、長野県は山梨県をはるかに超える日本一のワイン産地となりました。

戦中から戦後まもなくは、規格外品を原料とした粗悪なワインが横行しますが、1968年にはマンズワインが上田市に進出するなど本格的なワイン造りが始まります。

 

その後に桔梗ヶ原でもメルロの本格栽培が開始し、これが現在の長野県の本格的なワインの端緒となります。

1989年、90年にリュブリアーナ国際ワインコンクールでメルシャンの桔梗ヶ原のメルロを使ったワインが金賞を連続受賞したことにより、メルロの産地として注目されるようになりました。

2000年以降は日本ワイン人気の追い風もあり、小規模ワイナリーの新設が増加していきます。

2003年、長野県は日本で初めて原産地呼称制度を導入、2013年には「信州ワインバレー構想」を発表し、ワイン産業の推進を始めました。

これに影響され、多くの市町村がワイン特区の認定を受けました。

 

また長野県は新規就農者やワイナリー設立を目指す人たちに対して、「塩尻ワイン大学」の開講や「日本ワイン農業研究所」など行政や民間のワイナリーが栽培・醸造技術や経営について習得する機会を提供をしています。

官民をあげての積極的にワインを産業として根付かせようとする活動により、短期間に個性的で実力のあるワイナリーが増え続けており、現在最もホットな日本ワインの産地として今後も目の離せないエリアです。

 

ブドウ品種

長野県で生産される主なブドウ品種はアメリカ系品種のコンコードやナイアガラで、全体の約半分を占めていますが、現在この2種類は微減傾向にあります。

また日本で栽培される欧州系品種の中で、メルロ、シャルドネソーヴィニヨン・ブランの生産量は長野県がトップで、ワイン用ブドウの生産量上位10種のうち、白系品種が約35%、赤系が約57%と赤系品種が多いのも特徴です。

その他、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フラン、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリやゲヴュルツトラミネールも増加傾向です。

 

ワイン産地

長野県は本州の中央部に位置し、周囲を北アルプス、中央アルプス、南アルプスで囲まれた内陸県です。

ブドウ栽培は松本盆地、上田盆地、長野盆地、伊那盆地の4つの盆地に広がり、その8割以上が標高500m以上の高地に位置しています。

気候は盆地気候で、昼夜、夏冬の気温差が大きく、果樹の栽培に有利な条件がそろっています。

 

桔梗ヶ原ワインバレー

松本盆地の南端、塩尻市全域を含むエリアで、明治初期の殖産興業政策に刺激され、ワイン用原料(正確には甘味果実酒)としてブドウ栽培が開始された、長野県における「ワイン造り発祥の地」です。

塩尻市の桔梗ヶ原は、標高700~800mの高地で、ブドウの生育期間の日照量は全国1、2位を競う栽培条件に恵まれた土地です。

メルシャンの桔梗ヶ原産メルロのワインが国際コンクールで金賞を受賞したことにより、メルロの産地として注目されていますが、ワイン原料として最多なのはコンコード、次いでナイアガラで、メルロは実は3番目です。

 

千曲川ワインバレー

上流の佐久市から下流の中野市まで千曲川流域に広がるエリア。

育成期間の降水量が少なく気候条件に恵まれており、長野県内のおよそ半数のワイナリーがこの地域に集中しています。

また近年最もワイナリー設立が活発な地域で、個性豊かなワイナリーが次々と新設され、「千曲川ワインアカデミー」など新規参入希望者に向けた作り手の養成を目的とした活動も積極的に行われています。

ブドウ品種については、メルロを初めシャルドネカベルネ・ソーヴィニヨンピノ・ノワールなど欧州系ブドウ品種の栽培が増加中です。

 

日本アルプスワインバレー

松本盆地の中で南端の塩尻市を除いた、松本から安曇野に広がるエリアに広がる産地で、東部は長野県のブドウ栽培発祥の地と言われています。

ナイアガラやコンコードなどアメリカ系品種の栽培が多いのですが、近年は欧州系品種も増加中です。

 

天竜川ワインバレー

南アルプスと中央アルプスに挟まれた伊那盆地を中心とするエリア。

古くからリンゴや梨の産地で、最近はシードル生産も活発化しています。

他のエリアと異なり、ヤマブドウやヤマ・ソービニヨン(ヤマブドウ×カベルネ・ソーヴィニヨン)と言った日本の固有品種を用いたワインが特徴です。

 

著名なワイナリー

林農園

五一わいんの名で知られ、1911年創業の県内最古のワイナリーで、メルロで名高い塩尻市桔梗ガ原の海抜700mの丘陵地帯に位置しています。

この地に初めてメルロを植えた生産者としても有名で、ワイナリー内には、樹齢50年にもなるメルロの古木もあります。

「良いワインは良いぶどうづくりから」の考えのもと、自社農場と地元の契約農家からブドウを仕入れ、原料から醸造、瓶詰に至るまで、一貫したワイン造りを行っています。

海外での受賞歴も多く、高い評価を受ける老舗のワイナリーです。

 

小布施ワイナリー

長野県高井郡の小布施町にある小布施ワイナリーは1942年創業の老舗で、現オーナーは4代目の曽我彰彦氏。

日本ワイン造りにおける革命的な醸造家として、岡本英史氏(Beau Paysage)、城戸亜紀人氏(kidoワイナリー)等とともに、『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』というノンフィクションの本にまとめられ、映画化もされました。

造られるワインは、「Domaine Sogga sans chimie(sans chimieは英語でwithout chemical)」の名の通り、ワイン畑で化学的な農薬、肥料を一切使わない、いわゆる自然派ワイン。

「脱コンクール」や「自社農場産ワイン専用葡萄100%使用、輸入ワインを一切混ぜない自製酒100%」など徹底した品質重視の姿勢でワイン造りに向き合っておられます。

 

マンズワイン小諸ワイナリー

1973年に小諸にワイナリーを設立した、千曲川ワインバレーの先駆けともいえるワイナリー。

小諸ワイナリーでは、品種ごとに最適なテロワールで育成することにこだわり、国産ブドウ100%で作られるプレミアムワイン「ソラリス」を生産しています。

ブドウ畑に囲まれた日本庭園や宮大工の手がけた茶室、樹齢40年を超えるシャルドネや100年を超える竜眼、美しい地下セラーなど施設内の見どころも多いワイナリーです。

 

ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー(以下ヴィラデスト・ワイナリー)

ヴィラデスト・ワイナリーは、千曲川ワインバレーエリア、東御市の標高850mの見晴らしの良い高台に位置する、日本ワイン業界を代表する小規模生産のブティック・ワイナリーです。

2003年、エッセイスト・画家として有名な玉村豊男氏と日本のワイン造りを牽引する栽培醸造家の小西超氏によって設立されました。

テロワールを反映したエレガントで凝縮感のあるワインは、国内外で数々の賞を受賞し、またサミットで国賓に振る舞われるなど高い評価を受けています。

 

その他、ヴィラデスト・ワイナリーは人材養成や技術支援の為の活動も積極的に行っております。

2014年には玉村氏が中心となって、日本ワイン農業研究所が設立、その翌年には栽培・醸造・ワイナリー経営を学ぶ「千曲川ワインアカデミー」の開催や新規就農者らの委託ワインを醸造するワイナリー、アルカンヴィーニュが立ち上げられました。

多くの卒業生がワイン造りに励んでいます。

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