ピノグリ(ぶどう品種)の特徴と味わい、お勧めワイン

【最終更新日】2023年8月9日

ピノ・グリ(Pinot Gris)はピノ・ノワールの変異種で、灰色という意味のGrisの名の通り、灰色がかった紫やピンクの果皮をした白ワイン用のブドウ品種です。

イタリアではピノ・グリージォ(Pinot Grigio)と呼ばれ、こちらの方が馴染みがある方もいらっしゃると思います。

ゲヴュルツトラミネールと並んで白ワイン用ブドウ品種としては果皮の色が濃く、同じ房でも色が違う程、個体差の激しい品種でもあります。

 

ピノグリとは?ぶどう品種の全体像

ブドウの特徴

Par Felloni claire — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=88541907

ピノグリから造られるワインの色調は濃いゴールド色で、銅に近い色になる事もあります。

柑橘系や白桃、アーモンドのような香りがあり、生き生きとした酸味が印象的です。

 

アルコール度数は高めでフルボディに近い辛口ワインになる事が多いですが、果皮の色同様、生産地や生産工程で特徴が様々です。

現在ではフランスのアルザスやドイツのバーデン、北部イタリアを始め、東欧、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカと、世界各国で栽培されていて、どの国でも比較的冷涼な気候の地域で育てやすい品種です。

歴史上は中世時代のブルゴーニュでピノ・ノワールが変異したと言われており、1300年頃にはスイスでも栽培されました。

18、19世紀までブルゴーニュやシャンパーニュで多く植栽されていましたが、当時のピノ・グリは栽培が難しい上に収穫量が少ない品種だった為、他品種に植え替えられる事が多くなりました。

20世紀初頭に品種改良に成功し、収穫量が安定した事から世界中で栽培され始め、現在では世界中で楽しまれているブドウ品種の一つとなりました。

 

主な生産地

フランス


北東部のアルザス地方で多く栽培されており、収穫時期を遅くして糖度を高めたブドウを使った甘口ワインも生産されています。

ヴァンダンジュ・タルティヴやセレクシオン・ド・グラン・ノーブルと呼ばれる高品質甘口ワインを名乗る事ができる品種の1つに認定されており、他生産地と比べるとアルコール度数の高さから長期熟成も可能です。

非常に濃縮感があり、先述の特徴の他にはちみつのような香りもあります。

 

 

ドイツ

アルザス地方のライン川対岸に当たる南西部のバーデンが有名で、一般的に辛口ワインだとグラウブルグンダー(Grauburgunder)、甘口ワインだとルーレンダー(Rulander)と呼ばれています。

アルザスに比べアルコール度数が低く、酸味が際立つ印象がありますが、収穫量を抑える等、より濃縮したブドウを使ってアルザスに近いスタイルのワインも生産されています。

 

イタリア

ピノ・グリージォと呼ばれるイタリアでは趣がかなり変わります。

アルプス山脈に近い北部で広く栽培されており、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州やヴェネト州が多く、ロンバルディア州ではスパークリングワインにも使用されています。

DOC認定された高品質な白ワインもありますが、柑橘系のフルーティーな香りと際立つ酸味があり、手頃な価格の飲みやすいライトボディのワインが多く生産されており、世界中に輸出されています。生産量としてはダントツの世界一位を誇ります。

 

アメリカ

カリフォルニア州とワシントン州に挟まれる位置にある、オレゴン州が評価が高いエリアです。中でもウィラメット・ヴァレーで生産されるワインは赤、白ともに注目されています。

オレゴン州はピノ・ノワールがワイン生産量の7割を占める程栽培が盛んで、ブルゴーニュと比較される程の銘醸地ですが、ピノ・グリもヨーロッパのものに比べフルーツの香りが強く感じられ、酸味も穏やかでアルザスに近いスタイルの辛口白ワインが多くの支持を集めています。

カリフォルニア州やオハイオ州でも生産されており、カリフォルニア州のピノ・グリはワインのスタイルがイタリアと似ている為、ピノ・グリージォと呼ばれる事もしばしばあります。

 

オーストラリア

南東部のヴィクトリア州で植栽されています。冷涼な気候のこのエリアではアルコール度数が高めで、酸味は穏やかなワインが多く、アルザスのスタイルに近い高品質ながら求めやすい価格の辛口白ワインが多く生産されています。

 

ニュージーランド

近年、南北両島でピノ・グリの生産量が増え続けています。オイリーでしっかりとしたボディの辛口白ワインは評価が高く、こちらもアルザスに近いスタイルで人気が高いです。

 

 

著名なワイン

ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト ピノ・グリ ランゲン・ド・タン クロ・サン・テュルバン グラン・クリュ(Domaine Zind Humbrecht Pinot Gris Rangen de Thann ClosSaint Urbain)

創業は1959年ですが、フンブレヒト家は1620年からワインを造っている家系で、各ワイン誌で高スコアを得続けている生産者です。

早くからビオディナミ農法に切り替え、ブドウと土壌の個性を表現する事を追求し続けています。

非常に凝縮感のある長期熟成可能なワインで、アルザスを代表する1本です。

 

アジィエンダ・アグリコーラ・ヴィエ・ディ・ロマンス デッシミス・ピノ・グリージォ(Azienda Agricola Vie di Romans Dessimis Pinot Grigio)

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イタリア白ワインの巨匠、ジャンフランコ・ガッロ氏の手がけるこのワインはピノ・グリージォですがフルボディに近く、若いうちでも熟成しても飲める辛口白ワインです。

ピノ・グリージォを飲み慣れた方には是非一度試して頂きたいです。

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