ネッビオーロとは?基礎知識とワインの味わい、合わせる料理

【最終更新日】2022年10月30日

ネッビオーロ(Nebbiolo)はイタリアの赤ワインブドウ品種で、イタリア共和国ピエモンテ州にあるバローロ、バルバレスコ、ロエロ、ガッティナーラ、カレマ、ゲンメといったDOCGワインが生産されます。

 

ネッビオーロという名前は、通常10月下旬に収穫が行われ、その時期にネッビオーロのブドウ畑で大量の霧が発生する事から、霧という意味のイタリア語のネッビア(ピエモンテではネビア)が由来とされています。

また、ブドウが成熟すると皮が霧のように見える事や高貴を意味するイタリア語のノービルから名付けられたという説もあります。

 

ネッビオーロは明るい色で、タンニンが強く、若いうちはタールやバラのような香りを持つ赤ワインとなります。

年が経つにつれ、レンガのようなオレンジの色合いを帯び、バイオレット、タール、ハーブ、チェリー、ラズベリー、トリュフ、タバコ、プルーンなどの豊かな香りと風味が出てきます。

 

タンニンと他の特徴のバランスが良くなるのに熟成期間が必要なブドウ品種です。

ピエモンテ州北部のゲンメ、ガッティナーラではスパンナ(Spanna)、ロンバルディア州のヴァルテッリーナではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)とも呼ばれます。

 

【バローロについてはこちらをご覧ください】

 

ネッビオーロの基礎知識

歴史・起源

ネッビオーロは一般的にピエモンテ州原産とされていますが、東のロンバルディア州北部のヴァルッテリーナ地域を起源とする説もあります。

西暦1世紀、古代ローマ帝国の大プリニウスは現在のバローロの北西に位置するポレンシア地域で生産された高品質のワインを発見しました。

このワインのブドウ品種の詳細はありませんが、ワインの特徴がネッビオーロベースのワインと類似しており、これがピエモンテ州でネッビオーロからワインが造られた最初の記述とされています。

 

具体的にネッビオーロの名前が明記されるのは1268年、ニビオールとして知られるワインがトリノ近くのリヴォリで生産されていた記述があります。

ネッビオーロはフランスと長期に渡り対立していたイギリス人がボルドーの代替ワインを探していた18世紀にピエモンテで注目を浴びました。

 

しかし、ピエモンテからロンドンまでの輸送は困難であり、長くは続きませんでしたが、ネッビオーロの植栽はフィロキセラが流行する19世紀まで増え続けました。

フィロキセラ流行後はバルベーラを主とするブドウ品種の植え替えをし、今日ではネッビオーロはピエモンテ州のブドウ畑の約9%、バルベーラは30%を占めています。

 

ワイン造り

伝統的には20〜30日間、ワインを果皮と共に漬け込み、充分にタンニンを抽出した後で大きなオーク樽で熟成させます。

現在では漬け込みを7〜10日間と短くしてブドウの風味と香りを残し、加熱により酸味を柔らかくする手法も用いられ、多くの生産者はこの中間を採用しています。

 

ネッビオーロは発芽が早く、10月中旬から下旬と収穫が遅いブドウ品種です。

そのため春には晩霜のリスクがあり、収穫期には降雨によってブドウのバランスが崩れてしまう危険を抱えています。

これだけのリスクがありながら、それを上回るメリットがあるから生産者はネッビオーロにこだわっている、ということなのです。

 

ピエモンテではバルベーラとドルチェットを収穫、発酵まで完了した後にネッビオーロを収穫する生産者もいる程です。

ピエモンテでは標高150〜300メートルの畑が適しており、日照が充分で、強風を凌ぎやすい南か南西に面した斜面に植える生産者が多いです。

 

産地

ネッビオーロは2010年時点で世界中で5,993ヘクタール栽培されており、そのうち457ヘクタールはピエモンテ州で栽培されています。

また、ネッビオーロはピエモンテ州が特に知られていますが、そのワインの名声にも関わらずピエモンテ州のワイン生産量のわずか3%に過ぎません。

 

バローロ、バルバレスコがネッビオーロを使ったワインとしては大変有名ですが、ピエモンテ州内の他地域の他に、北西のヴァッレ・ダオスタ州やロンバルディア州でも栽培されています。

アメリカ、オーストラリア、メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイ、南アフリカと、生産量は少ないですが世界中で栽培されています。

 

マリアージュ

ネッビオーロから造られたワインは酸味とタンニンの渋みが大変豊かです。

多くのワインが少なくとも10年以上の熟成を必要とし、高品質のワインでは30年以上楽しめます。

 

熟成が進むにつれ、タールとバラの香りがより複雑に変化し、ドライフルーツ、革、甘草、スパイス、ハーブの香りも感じられます。

中でもバローロとバルバレスコは最も重く、熟成時間を必要としますが、最新技術により若い内でも楽しめるワインも増え、他地域でもその傾向が見られます。

 

豊かなタンニンが特徴的なネッビオーロはそれを中和してくれるクリームやチーズを使った料理がよく合います。

クリームソースのパスタやリゾットは相性がとてもよく、バローロの名物料理であるブラザート(牛肉の煮込み料理)とも供される事が多いです。

 

熟成を経たネッビオーロは複雑性が増し、世界でも唯一無二の豊潤な香りと味わいになります。

この場合はレストランのシェフが力を込めて作ったジビエ料理であれば、最高のマリアージュになるでしょう。

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