【最終更新日】2023年3月27日
焼酎文化が根強い宮崎県ですが、九州で最もワイナリー数の多いのが宮崎県。
また、九州のワイン総生産量の半分以上を宮崎県が占めています。
本格的なワイン造りの歴史は比較的新しいものの、それぞれが独自のスタイルを築きながら着実に発展しています。
宮崎県のワインの基礎知識
歴史・起源
昼夜の寒暖差が大きく、降雨量が少ない所が栽培に適していると言われるブドウ栽培。
しかし年間降雨量が多く、高温多湿な環境はけしてブドウ栽培に向いているとは言えない宮崎県での本格的なブドウ造りは、戦後まもなくの1950年に始まりました。
元々梨農家だった長友百二氏が、台風の被害を大きく受ける梨に代わって、山形県から生食用のキャンベル・アーリーの苗を入手し、栽培を始めたのがきっかけでした。
アーリーという名前がついている通り、台風が来る前に早期収穫が可能な為、この地に根付いたブドウ栽培ですが、シーズンが過ぎるとブドウが売れなくなるという問題点を抱えていました。
その対策として1980年代にワイナリー構想が生まれ、紆余曲折の末、1996年にこのブドウを活かした6次産業の立ち上げとして第三セクターが設立され、本格的なワイン作りが始まりました。
その後、宮崎県のワイナリー数は九州では最も多い6軒となりました。
ブドウ品種
宮崎県では1950年に長友百二氏が、山形県からキャンベル・アーリーの苗を入手し、栽培を始めたのがブドウ栽培の始まりとされています。
当初は病害虫を防ぐのに苦労したようですが、同氏の努力により現在でも都農町を中心にキャンベル・アーリーなどの栽培が広がっています。またシラーやピノ・ノワールなど欧州系品種の栽培の取り組みも始まっています。
日照量が多い恩恵で、アロマティックな香りが特徴です
ワイン産地
宮崎県は日本のブドウの産地の中でも、降水量が断トツで1位、雨に弱いブドウを育てる環境としては特に厳しく、ブドウ栽培に向いている土地とは言えません。
しかし、日本随一の多さを誇る日照量や冬が短いためにブドウの芽吹きが早く、収穫までが早いという土地が与えてくれる大きなメリットもあります。
こうした降雨量の多い気象条件のもと、ブドウ栽培には基本的に雨除けが利用されています。
また、その土壌はその昔海の底であったこともわかっています。
現在ブドウは都農町と小林市が主要産地ですが、後者では観光農園が主体となっています。
都農町では1988年地元のブドウを生かしたワイン造りへの機運が高まり、1996年にワイナリーが設立されました。
また都城市にもワイナリーがあり、ヤマブドウの交配品種などを手がけています。
著名なワイナリー
都濃ワイン
1996年、宮崎平野を一望する標高150mの高台・牧内台地に設立されたワイナリー。
「ワインは地酒である」というコンセプトのもと、地元産ブドウ100%にこだわったワイン造りを行っています。
生食用ブドウで醸したワインがあまり世界で認められていない時代に、キャンベル・アーリー(ロゼ)がイギリスのワイン専門書である『Wine Report 2004』で『世界のワイン100選』に選ばれるほど、高品質な日本ワインとして注目を集めています。
甘口から辛口、スパークリングワイン、瓶内一次発酵のペティアンとバラエティー豊富なキャンベル・アーリーを使ったワインはチキン南蛮など宮崎の郷土料理にもよく合います。
またワイナリーでは広大な景色を眺めながらワインとともにランチやカフェが楽しめます。
都城ワイナリー
高千穂峰の山麓にある九州最南端のワイナリー。おいしい肉や野菜がたくさんある都城で、それらの食材に合うワインを造りたいという思いから、地元の異業種交流グループがスタートさせました。
都城ワイナリーの大きな特徴は、降水量の多いこの土地で育てやすい生食用ブドウを育てるのではなく、欧州系ワイン用品種のブドウや、それらとヤマブドウを交配するなどして、土地に合わせた形で独自のブドウ品種を使ったワイン造りを行っているところです。
天孫降臨神話のあるこの地にちなんで、ワインの銘柄には「アメノウズメ(白)」、「タジカラオ(赤)」、「コノハナサクヤ(ロゼ)」など神話にでてくる神様の名前がつけられていることも大きな特徴の1つです。
雲海葡萄酒醸造所
老舗焼酎メーカー雲海酒造が手がけるワイナリーで、1994年綾町に設立された南九州で初めての本格的な観光ワイン工場です。
現在は綾町産を中心に国産生食用ブドウを用いたフレッシュでフルーティな若々しいワインだけでなく、欧州系品種のブドウから飲みごたえのある本格ワインなど幅広く醸造しています。
ワイナリーのある「蔵元 綾 酒泉の杜」は、他にも焼酎蔵、清酒蔵、ビール醸造所やショップやレストラン、ガラス工房などが集まっており、全国でも珍しいお酒の複合施設です。

ワインをはじめ醸造酒全般が好きで、絶賛進化中の日本ワインや和食×ワインのペアリングに興味があります。
ホテルへの転職を機にお酒の勉強を開始。
唎酒師資格取得後、2022年WBSにてJ.S.Aワインエキスパート合格。
ブラッシュアップのため継続受講中。
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