赤ワインの”渋み”|なぜ渋いの?合わせる料理は?

【最終更新日】2022年9月16日

おそらく初めて赤ワインを飲んだ時に感じる印象は、多くは「渋い」ではないでしょうか。

ワインはなんとなく大人のイメージがあるので、背伸びして赤ワインを口にしたけど酸っぱいし渋いしで散々な思いをした人は少なくないはずです。

 

では、赤ワインの味わいの「渋み」とはなぜ渋くなるのでしょうか?

また、せっかく渋いのであれば、この味わいがどのようなメリットをもたらすのか?

今回はそこまで深ぼってみましょう。

 

赤ワインの”渋み”とは?

赤ワイン独特の成分

結論をいいますと赤ワインを飲むときに感じる渋みは、タンニンという成分によって感じるとされています。

渋柿とかも渋いですよね。また、紅茶の葉っぱをそのまま口にすればやはり渋いと思います。

あれらもタンニンが含まれているから、だから渋く感じるのです。

 

では、ワインではどうでしょうか?

おそらく白ワインをお飲みの時には渋みはほとんど感じないか、全く感じないはずです。

この感覚はその通りで、渋みは赤ワイン独特の成分なので、白ワインには感じない味わいとなるのです。

 

赤ワインと白ワインの製法の違い?

では、なぜ白ワインは渋くないのに赤ワインは渋いのでしょうか?

これは赤ワインと白ワインの製法の違いによるところが大きいです。

 

白ワインは基本的に

収穫→すぐに搾汁→果汁のみを発酵

のプロセスになります。収穫後、すぐに絞って果汁と果皮や種子を分離させます。

そして果汁のみを発酵させるのです。

 

しかし赤ワインはこの搾汁するタイミングが若干違います。

収穫→破砕(ブドウをぐちゃぐちゃに潰す)→果汁と果皮や種子とともに発酵→発酵後にワインを分離

白ワインは果汁だけを発酵させるのに対して、赤ワインは果汁とともに種子や果皮も一緒の状態で発行をさせます。

ここが大きな違いになります。

 

なぜ赤ワインだけ渋いの?

では、製法の違いが分かったところで、なぜ赤ワインは渋いのに白ワインは渋くないのでしょうか?

これは、ブドウの果粒の成分を検討する必要があります。

ブドウの果粒は、例えばどのようなブドウでもいいので真っ二つにカットしてみましょう。

 

例えば巨峰であれば皮は赤黒い色をしていますが、ではその中の果肉まで赤いかといわれるとそうではありません。

きっと皮をむいた中身は白っぽい黄緑のような色をしていて、透明っぽい色合いであることがわかると思います。

では、果肉をかじってみましょう。渋いでしょうか?おそらく渋くないはずです。

 

ワインの渋みのタンニンは、ブドウの皮や種に多く含まれていて、果肉(果汁)には含まれません。

だから果汁だけを発酵させた白ワインには渋みを感じないのです。

逆に赤ワインは果汁と果皮、種子と一緒に発酵させるので、その発酵期間中に皮や種から渋み成分のタンニンがにじみ出るのです。

だから赤ワインだけが渋くなる、というわけなのです。

 

白ワインは渋くないの?

では、ここまでで赤ワインは渋くて白ワインは渋くないと説明しましたが、では白ワインは絶対に渋くないのでしょうか?

これはデータはありませんが、おおむね世界で流通している99%の白ワインは渋み成分はほとんど含まれないか、あるいはまったくゼロに近いと考えていいでしょう。

 

現代社会の食生活はどんどんライト化が進んでいますので、白ワインについてはさっぱりとして飲みやすく、さわやかな味わいが求められます。

この味わいには渋みは余分に映ることが多く、生産者はできる限り渋み成分が含まれないように腐心するのです。

 

例外的なワイン

白ワインのほぼ100%は渋みはないと説明しましたが、やはり例外というものは存在します。

その例外のわかりやすい例がオレンジワインです。

オレンジワインは白ワインを造る際に、収穫後にすぐに搾汁するのではなく、果汁と果皮をしばらく漬け込んで作るワインです。

そのためワインには白ブドウの色素成分が含まれ、オレンジっぽい色合いになるのですが、漬け込んでいる最中に皮や種とも接触しますので、渋み成分が含まれることになります。

 

同じ原理で白ワインであっても果皮接触といって、皮と種を接触させて造るワインもあります。

この場合も白ワインであっても渋みは若干量含まれることになります。

 

渋みの特徴とメリットは?

渋みはこのように、もともとぶどうの種や皮に含まれていて、赤ワインは皮や種と接触させるから、だから渋いと説明しました。

では、具体的に赤ワインの渋みの特徴とメリットは何があるのでしょうか?

 

渋み成分は食事の脂分をさっぱりさせる役割があるとされています。

おそらく焼肉屋さんに行かれた際に、ウーロン茶を飲みたくなるか、あるいはサービスでウーロン茶がサービスされることを経験されたことはあると思います。

ウーロン茶は単体で飲みますと渋いのですが、ウーロン茶を飲むと脂分がさっぱりするので、またお肉がおいしくいただける、という具合なのです。

 

「サービスでウーロン茶をだしてくれた、なんて良心的なお店なんだ」

あなたが表面的にこう思っていたのであれば先が思いやられます。

ひょっとしたら

「ウーロン茶で口をさっぱりさせて、肉をもう一つ追加注文してくれ」

という隠れたメッセージが秘められている可能性があるのです。

 

渋みのある赤ワインに合う料理、合わない料理とは?

では、渋みのある(強い)赤ワインには具体的にどのようなお料理が合うのでしょうか?

先ほど渋み成分には脂分をさっぱりさせる役割があると説明しましたよね。

そこから検討すると、やはり脂分の強いお肉料理には赤ワインはあうとなるでしょう。

 

例えば脂分の多いTボーンステーキを想像してください。

牛肉独特の風味と炭火の香り、肉の脂が口いっぱいに広がりますが、やはりお肉だけだとちょっと疲れてしまいます。

そこに渋みの強い赤ワインを飲むことで、赤ワインの渋みが口をさっぱりしてくれる、という具合なのです。

 

逆に、渋みには生臭さを引き立たせるという面もありますので、生魚や魚介類には合わないことが多いです。

例えば生カキを渋みの強い赤ワインを合わせてしまうと、赤ワインの渋み成分が生カキの生臭さを強くさせてしまい、これではせっかくのワインと料理が台無しになってしまいます。

 

まとめ

いかがでしょうか?なんとなくなぜ赤ワインが渋いのかがわかってもらえたと思います。

もちろん、同じ赤ワインであっても渋くなりやすいものもあれば渋くなりづらいものもあります。

これについてはまた別の機会に解説しますので、しばらくお待ちください。

 

赤ワインが渋い理由と特徴がわかれば、選ぶお料理もあなた自身で選べるようになるし、自信をもって選べますよね。

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