ソーヴィニョンブランとは?基礎知識と特徴、合わせる料理の解説

【最終更新日】2022年10月3日

ソーヴィニョンブラン(Sauvignon Blanc)はフランス原産の果皮が緑色をした白ワイン用のブドウ品種です。

もともとフランス南西部の土着品種であったことから、フランス語で「野生」を意味するsauvageと「白」を意味するblancに由来するとされています。

さっぱりとした味わいで現代人の食生活ともなじみが良く、大変に人気の高いブドウ品種です。

↑のように世界の検索エンジンでの検索数はシャルドネに次ぐ二位となっています。

単純に検索数だけでは比較できませんが、ワインライフへの浸透度合いも検討すると、人気もシャルドネに次ぐ二位と考えていいでしょう。

このような背景から世界の多くのワイン産地で栽培されており、さわやかな辛口の白ワインを生産しています。

 

5月の第1金曜日はアメリカの生産者によって始められた「国際ソーヴィニヨン・ブランの日」とされ、地元生産者のみならず国際的に祝うイベントとなっています。

 

 

ソーヴィニョンブランの基礎知識

歴史・起源

原産地はフランス西部のロワール渓谷とボルドー地域と言われており、現在の研究ではサヴァニャンの子孫である可能性があるとされています。

また、名前の似ているソーヴィニヨン・ロゼの突然変異とは関係がないことが知られています。

 

「発芽は遅いが熟すのは早い」という特徴があり、暑すぎず日当たりの良い気候でよく育ちます。

オーストラリア、カリフォルニアなどの温暖な地域、イタリアや中央ヨーロッパでも栽培されていますが、暑い地域ではすぐに過熟してしまう傾向があります。

過熟すると酸味が減り、風味が弱く平坦なワインになってしまう為、温暖な地域でも収穫時期を早めたり、あるいは冷涼な気候のエリアで栽培されています。

 

おもなワイン産地

ニュージーランド


1980年後半に登場し、2002年から現在までブドウ収穫量の7割以上を占めています。

産地では最大の産地である冷涼なエリアの南島マールボロ地域の栽培面積の8割を占めます。

果実の凝縮感とボティを強調する、豊かな粘性とフルーツの柔らかさを特徴にする、より酸を豊かにするなど地域により違いを見せています。

また2000年ヴィンテージからスクリューキャップで瓶詰めされ、現在99%以上のボトルに使用されています。

 

ニュージーランドで醸造され始めた頃は南島にはワイナリーがなく、収穫されたばかりのブドウをトラックで運び、さらにフェリーで北島まで運んでいました。
 
通常はぶどうは収穫したらできる限り早く搾汁することで劣化を防ぎ、フレッシュさを保つことができます。
 
しかしこのフェリーで北島まで運ぶ間の時間はどうしようもなく、短縮の余地はありません。

 
 
ところがこの時間が後日ニュージーランドのソーヴィニョンブランを世界的に知らしめることになります。
 
フェリーで北島まで運ぶ間に一種のスキンコンタクトの様な風味が生まれ、これまでにない独特の風味のソーヴィニョンブランが誕生するのです。

 

オーストラリア

白ブドウのうちシャルドネに次ぐ2位の生産量で特に西オーストラリア州では、セミヨンとブレンドされます。

南オーストラリア州アデレード・ヒルズではソーヴィニヨン・ブランの単一で造られ、ニュージーランドとは異なり、より熟した風味で白

桃やライムの香りを持ち、酸味がやや強いワインが造られています。

 

フランス

ソーヴィニョンブランを世界的なブドウ品種に押し上げたのは間違いなくロワール川上流域のワインでしょう。

さっぱりして切れ味の鋭い酸味と果実の印象あふれる味わいは、現代人の食生活にも合い、1990年代以降急速に世界的な人気を獲得します。

ロワールのソーヴィニョンブランの二枚看板はサンセールとプイイフュメです。

石灰を含んだ土壌のプイィ・フュメでは、ワインに煙や火打石のような風味を与えると言われ、フランス語で「煙のような」という意味の「フュメ」が名前に付けられました。

 

また、海洋性気候のボルドー地方、特にアントル・ドゥー・メール、グラーヴなどでは辛口ワインとして、ソーテルヌや南西地方ではセミヨンとブレンドして貴腐、あるいは遅摘みの甘口ワインを造っています。

セミヨン、ミュスカデル、ユニ・ブランとともに、ボルドーの白ワイン生産で認められている4つの白ブドウ品種のうちの1つです。

 

 

北米

カリフォルニアが主要産地で、ワシントン州でも栽培されています。

カリフォルニアでは、フュメ・ブランとしても知られています。

ニュージーランドの影響を受けたワインは柑橘類とパッションフルーツの香りと草の香りを強く持つ傾向にあります。

一方のフュメ・ブランは樽熟成させることで、ボリューム感や複雑さが増し、まろやかで重厚感のあるワインに仕上げたものもあります。

 

その他の産地

南アフリカやチリ、ブラジル、イタリアでも注目を集め始めていて、イタリアでは、ソーテルヌの様に貴腐菌がついたブドウで造られる甘口ワインもあり、主原料となっています。

 

ブドウ栽培と醸造

ブドウの成熟度によって異なるブレンド特性を持たせるため、収穫を一度にせず、時期をずらし数回に渡って収穫することも多いです。

マールボロのワイラウ・ヴァレーで栽培されるブドウは畑がわずかに凹凸しているため成熟度が異なり、収穫日を分けた畑のブドウと同じ様な風味のワインとなります。

 

また、醸造工程では果汁がブドウの果皮と接触する量により味わいが変わります。

ブレンド用に意図的に果汁を残し、スキンコンタクト(果汁に果皮を漬け込む)を行う生産者もいますが、スキンコンタクトを一切しないのも一般的で、より多くのフルーツやトロピカルな風味をもたらす為、やや低い温度で発酵を行います。

発酵時はジューシーな果実味とミネラル感、清々しい酸を生かす為、オーク樽よりもステンレス製の発酵タンクを使い、キリッとドライで酸味とミネラル感のバランスが良いワインを造り出します。

 

ペアリング

ソーヴィニョンブランは樽熟成したリッチな口当たりのものもありますが、ほとんどはさっぱりとして爽やかな口当たりのドライワインです。

鉄板のマリアージュとしては魚介料理全般が挙げられます。酸味がさわやかでフレッシュさを感じさせますので、レモンを絞りたくなるようなお料理には大抵合わせられることができます。

 

温度を低くめにしたソーヴィニヨン・ブランと魚やチーズと合わせたり、寿司との相性も良いと言われています。

例えば、スモークサーモンとディルのサラダや白身魚のカルパッチョにレモンを絞る、チキンの香草焼きにルッコラなどのベビーリーフを添えると相性が良いでしょう。

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