ワインの”グランクリュ”とは?意味と地域による使い方の違い

【最終更新日】2022年10月16日

ワインは、フランスやイタリア、ドイツなどのいわゆるヨーロッパの伝統的な生産国で発展した経緯があります。

これらの国では、ワインはブドウ畑に強いつながりがあり、テロワールという「ワインはその畑の環境を表すものである」という文化があります。

 

そのためワインの格付けはワインそのものの品質ではではなくて、原料となるぶどうの畑がどこにあるのかによって格付けをされます。

この格付けのうち、最も上のクラスとされているのがグランクリュになります。

グランクリュは日本語では”特級”と訳されています。

 

ワインのグランクリュとは?

クリュとは?

グランクリュはGrand Cruと書きますが、Grandの方はイメージしやすいですよね。

Grandは「大きい」とか「巨大な」の意味になりますが、今回の意味においては「偉大な」とかの意味になります。

 

ただしCruの方はイメージがしにくいかもしれません。

Cruはもともとは「成長した」という意味になりますが、ワインの世界ではブドウ畑の区画のことを指しています。

つまり、Grand Cruは「偉大な区画」の意味で、ここで収穫されたブドウを使ったワインは最高の格付けのGrand Cruを名乗ることができる、ということになるのです。

 

↑の地図はピュリニーモンラッシェ村の畑の区画ですが、このようにブルゴーニュは畑ごとに区画わけがされていて、それぞれに格付けがされ、畑の名前が付けられているのです。

 

ラベルでの記載

では、実際にラベルを見て確認をしてみましょう。

これはブルゴーニュのグランクリュのクロドヴージョというワインのラベルです。

Clos Vougeotはワインの名前ですが、「Clos Vougeotという畑でとれたぶどうを使ったワインだよ」という意味でもあります。

 

このClos Vougeotは格付け上、グランクリュに指定されているので、この畑でとれたブドウを使ったワインはGrand Cruのワインとなります。

だからラベルにGrand Cruと記載をしているのです。

Clos Vougeotの畑はフランス、ブルゴーニュにあるヴージョ村というところにあって、フランスのワイン法では、一度格付けをされたら基本的には変動はありません。

だからグランクリュに格付けされたらそこから降格をされることはまずないし、あったとしたら余程のことになります。

今のところグランクリュに指定をされたのちに降格をされた畑はありません。

 

そのほかの地域

ボルドー メドック地区

 

グランクリュは、一番有名なものはブルゴーニュの格付けではありますが、ブルゴーニュ以外の地域でもグランクリュのキーワードは用いられることがあります。

まず↑のラベルは有名なシャトーマルゴーのラベルですが、”2001 PREMIER GRAND CRU CLASSE”と記載があるのがわかります。ここにもGrand Cruのキーワードが見つかりました。

この場合は1855年のボルドーの格付けにおいて1級に格付けされたという意味で、ブルゴーニュでいうグランクリュとは違う意味で使われています。

 

ただしボルドー地方ではグランクリュの記載はあいまいなことも多く、↑のラベルはシャトーマルゴーと同様の1級格付けのシャトーラフィットロートシルトですが、ラベルにはグランクリュの文字は見当たりません。

ブルゴーニュのグランクリュは法的に定められた厳格なキーワードです。

対してボルドーの中でもメドックの格付けシャトーがグランクリュの文言を使う場合は「格付けに定められた偉大なワインだ」という意味合いが強いです。

 

ボルドー サンテミリオン地区

ではもう一つボルドー地方のラベルを見てみましょう。

このワインはメドック地区ではなく、サンテミリオン地区の格付けシャトーですが、赤い文字でSAINT-EMILION GRAND CRUと記載があります。

 

サンテミリオン地区の格付けは先ほどのメドック地区よりも厳格で、法的に定められたものになります。

このワインはシャトーパヴィといって、サンテミリオンのワインの中でも最も評価の高いワインの一つです。

 

 

 

シャンパーニュ地方

では次にシャンパーニュのラベルを見てみましょう。

↑のラベルはルグラというワイナリーのシャンパーニュですが、ここにもグランクリュの文言が見つかります。

 

ブルゴーニュでのグランクリュはぶどう畑ごとに格付けが決められますが、シャンパーニュの場合は村ごとに格付けがされます。

グランクシュの文言の上に、筆記体で”Chouiily”の文言が見えると思いますが、これが村の名前で、Chouillyの村はグランクリュに格付けをされています。

そのためシャンパーニュでのグランクリュは、「特級に格付けされた村のブドウを使ったワイン」という意味になります。

 

アルザス地方

最後がアルザス地方のワインです。アルザス地方はフランス東部、ドイツとの国境エリアのワイン産地です。

ここにも赤い文字でALSACE GRAND CRUと記載があります。

 

アルザスもブルゴーニュ同様ブドウ畑の細分化が進み、畑ごとに格付けがされています。

このラベルのワインはSchlossbergという畑でとれたブドウを使っていて、Schlossbergの畑はグランクリュに指定をされている、という意味になります。

 

そのほかの地域

このほかの地域でも細かく見ていくと法的に格付けがされたグランクリュも見つかります。

また、特に法的な規制がない場合でも、歴史や伝統のあるワインはメドック地区のラベルのようにグランクリュと記載をすることもあって、これについては個々のワインを検討していくしかありません。

ただし、どの地区であっても基本的にはグランクリュの記載をする場合は最も高い格付けであることがほとんどで、その下がプルミエクリュと規定されることが多いです。

 

 

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