シャトーマルゴーとは?基礎知識と歴史の解説

【最終更新日】2022年11月24日

シャトー・マルゴーは、ボルドーのメドック地区、マルゴー村にあるシャトーです。

1855年のボルドーの格付けでは、最上級の一級に選ばれています。

そんな五大シャトーと言われるシャトーの中でもシャトー・マルゴーは最も優美なシャトーと言われることが多いです。

ではなぜ、シャトー・マルゴーはボルドー最上級の優美なワインと言われているのでしょうか。

ワイン造りと歴史の観点から探りたいと思います。

 

 

シャトーマルゴーの基礎知識

5大シャトー随一の人気

シャトーマルゴーは5大シャトーの中では最も知名度がたかく、映画や小説の題材として取り上げられることも多いです。

↑の図はグーグルトレンドでのグローバルサーチランキングですが、シャトーマルゴーはラフィットやムートンをおさえて1位の検索数を誇ります。

 

これはシャトーマルゴーを購入したいとかあるいはシャトーマルゴーについて調べ物をしたいから検索するのであって、単純なイコール人気とは言えないかもしれません。

ただしそれであっても多くの人が気になっていることは数値的にわかると思います。

価格はおおむね1本9~10万円程度になっていて、ラフィットに次いでの二番手に位置しているといっていいでしょう。

 

 

 

ワイン造り


シャトー・マルゴーの畑は262ヘクタールにも及び、そのうち赤ワイン用のブドウ畑は87ヘクタールです。

その内訳は、カベルネ・ソーヴィニヨンが75%、メルローが20%、カベルネ・フランが2%、その他はプティ・ヴェルドが植えられています。

また、シャトー・マルゴーには白ブドウの畑も12ヘクタールあり、ソーヴィニヨン・ブランが植えられ、パヴィヨン・ブランという白ワインが造られています。

 

 

シャトー・マルゴーのワイン造りの特徴として、変革や最新技術などに頼るのではなく、昔ながらの伝統的なワイン造りを守っているという点が挙げられます。

例えば、殺虫剤を使用せず、有機肥料を使用している点や、耕作に馬を用いる点があります。

 

味わいに直接影響を与えるような特徴として、仕込槽に木樽を用いていることが挙げられます。

木樽を使うことで、木目からわずかな空気が入り、ワインに溶け込みます。そして出来上がったワインはタンニンがまろやかで柔らかい印象に仕上がるのです。

 

五大シャトーの中で最も強い凝縮感を持つと称されるシャトー・ラトゥールはステンレスタンクで仕込みをしています。

こういった特徴的な製法からもシャトー・マルゴーが優美なワインと称されているのかもしれません。

 

歴史・起源

シャトー・マルゴーが歴史上の文献に登場するのは13世紀頃とされていますが、ワインの栄光の道を進みだすのは1590年にピエール・ド・レストナックがシャトーの持ち主となってからです。

レストナックは20年がかりで多くのブドウ畑の売買を重ね、ワイン造りと蓄財をし、努力の末に念願のシャトー・マルゴーの領主になった人物でした。

当然そのレストナックの情熱は領主になった後もワイン造りに注がれることになります。

メドックがワインの産地として発展すると予測したレストナックは、1572年から1582年にかけてシャトーの穀物畑を縮小してブドウ畑を増やし、ワインの生産に力を入れ現在のシャトーの礎を築きました。

 

18世紀までにシャトーの面積は現在とほぼ同じ大きさに広がりました。

その頃にはワインの醸造技術が大きく進歩し、現代の製品に近い濃厚で複雑な味わいを持ち、長期熟成可能なワインが造られていました。

シャトー・マルゴーでもブドウの収穫や土壌の改革が進められていました。

 

そしてルイ15世の時代に愛妾のポンパドゥール夫人がシャトー・ラフィットを宮廷に持ち込むと、その次の愛妾のデュ・バリー夫人↑はシャトー・マルゴーを宮廷に持ち込み愛飲しました。

こうしてシャトー・マルゴーは貴族女性に愛されるまでのワインにのし上がることになります。

 

しかし現在まで華やかな歴史が続くわけではありませんでした。

ジネステ家が所有者となっていた1970年代にワインゲート事件と呼ばれるワイン大暴落が起こります。

ワインゲート事件とはボルドーの多くのネゴシアンがワインを水増しするなど不正を働いていたことが明るみに出た事件です。

この事件をきっかけにシャトー・マルゴーの評判も地に落ちました。

 

大きな損失を負ったジネステ家は1976年にシャトーをギリシャ人のアンドレ・メンツェロプーロスに売却します。

アンドレは当時シャトー・ラフィットのワイン造りを監修していた醸造学者のエミール・ペイノー教授に相談することでワイン造りの改革を進めました。

 

1980年にアンドレは急死してしまうのですが、アンドレの意思はローラ夫人や娘のコリーヌに引き継がれていきます。

彼女らはシャトーの補修などを進めるだけでなく、パヴィヨン・ブランという優れた白ワインを醸造するなど新たな挑戦にも取り組みました。

 

現在ではコリーヌ夫妻と総支配人ポール・ポンタリエによってシャトーは運営されています。

このようにしてシャトー・マルゴーは名声を取り戻していきます。

そして新しい女性主人によって造られたシャトー・マルゴーはさらに磨きをかけられています。

 

世界最高の五大シャトーの中で最も優美なワインという称号は、シャトー・マルゴーのワイン造りに奮闘する女性主人の努力の賜物と言えるでしょう。

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